ラトビアの女声合唱団「ジンタルス」来日公演 共演と歓談で旧交温める

ワセグリのOB・現役が25年にわたって深い親交を続けているラトビアの女声合唱団「ジンタルス」が、3度目の来日をした。4月1日、東京・渋谷の大和田さくらホールで開いた第5回ラトビア音楽祭に出演し、同国を代表する指揮者、アイラ・ビルジニャ女史の指揮で美しい歌声を披露した。

音楽祭には山脇卓也さん(H10卒)指揮の「お江戸コラリアーず」、佐藤拓さん(H15卒)指揮の日本ラトビア音楽協会合唱団ガイスマ(このほかNHK東京児童合唱団ユースシンガーズ)も出演。最後には合同演奏をして交流を深めた。
ジンタルスは3月30日には早稲田奉仕園スコットホールで、ワセグリ現役や桜楓合唱団とジョイントコンサートを開催。両演奏会には多くのOBが駆けつけ、レセプションで歓談して旧交を温めた。

◎出会いから25年、強い絆を改めて実感

ワセグリとジンタルスの親交の歴史を振り返りたい。
1993年、稲門グリークラブが日本の合唱団としては初めてラトビアを訪問した時、空港ロビーでジンタルスのメンバーが鮮やかな民族衣装に身を包み、歌で出迎えてくれた。稲門グリーも覚えたばかりのラトビア国歌で応え、感動的な出会いとなった。
演奏会では、ジンタルスがいきなり日本語で「赤とんぼ」を演奏し、その緻密、華麗で透明な響きに感銘を受けた。レセプションでも彼女たちの素朴で飾らない温かい歓迎を受け、メンバー全員が彼女たちの世界に引き込まれた。
1996年、ジンタルスが初来日し、稲門グリーが歓迎合同演奏会を開いた。1998年、稲グリが5年に1度開催される「ラトビア歌の祭典」(世界文化遺産)に参加するために再びラトビアを訪問し、ジンタルスと旧交を温める。2002年にジンタスルが2度目の来日をした際も稲グリが合同演奏会を開いた。
2003年、今度は現役グリーが北欧演奏旅行を行い、ラトビアの首都リガでジンタルスと合同演奏会を開催。2006年にも再びリガで演奏会を開いた。
そして今年、ジンタルスが16年ぶりに来日し、現役にとっては12年ぶりの再会で歓迎演奏会開催となった。ジンタルスも稲グリ・現役も、強い絆を改めて実感したようだった。稲グリで93年のラトビア初訪問と96年の来日歓迎演奏を指揮した堀俊輔さん(S50卒)も今回の音楽祭を聴き、ブラボーを連発していた。
いろいろ因縁もある。98年のラトビア歌の祭典には、現役グリーの学生指揮者だった山脇卓也さんが参加していた。佐藤拓さんは2003年の現役の演奏旅行の際の学指揮だった。

日本ラトビア音楽協会は1993年、98年のラトビア演奏旅行に参加した稲グリのメンバーが中心になって2004年に設立した。今年はラトビア共和国建国100年の節目にあたり、7月に開かれる最大の祝賀行事「ラトビア歌の祭典」に、佐藤さん率いるガイスマが厳正な審査に合格し、日本代表として参加する。

徳田浩(S31卒)