お江戸コラリアーず定演 精緻な響きで聴衆魅了

ワセグリの中堅・若手OBが参加している合唱団お江戸コラリアーず(通称・おえコラ)の第17回演奏会が8月5日、東京・後楽園の文京シビックホール大ホールで開かれた。今年で結成20年を迎えた合唱団は、全日本合唱コンクールで毎年金賞を受賞している実力を発揮し、磨き上げた精緻なハーモニーで聴衆を魅了した。
山脇卓也さん(H10卒)の指揮で、エストニア・ラトビア建国100年を記念した両国の合唱曲集、男声合唱とピアノのための「縄文土偶」(宗左近作詩、三善晃作曲)、「うたうべき詩」(信長貴富作曲)を演奏。最終ステージは男声合唱組曲「雨」(多田武彦作曲、村田雅之氏指揮)で締めくくった。
「縄文土偶」は凄惨な戦争体験をした2人の芸術家が共鳴し合って生まれた作品といえる。詩人の宗左近氏は1945年の東京大空襲で、母親を眼前で亡くした。その罪の意識から、詩集「炎える母」「縄文」などを発表した。作曲家の三善晃も米軍の機銃掃射で友人を失った。
おえコラは、2人が「縄文」「土偶」に込めた死者への思い、生者への愛を丁寧に、かつ重厚に歌い上げた。この曲で、今年の合唱コンクールに臨む。

(編集部)