還暦会 甦ったパワフルな歌声

第26回還暦会&順グリ会Part IIが7月21日、東京・銀座のライオン銀座クラシックホールで開かれた。還暦を迎えたS56卒が24人、順グリ会IIのS57~62卒が35人、その他の世代・来賓も含めて106人が参加。この日のために準備してきた各年次の努力が結実し、会場は豊かな響きと温かい雰囲気に包まれた。
安宅望さん(S57卒)の総合司会で開会、還暦ステージはS56卒のメンバーが黒服に紅の蝶ネクタイ姿で登場し、川元啓司さんの指揮、高橋裕子さんのピアノ伴奏で、すべて外国語の5曲を演奏した。大人数で地方在住者が多い代ながら、見事な団結力と練習の成果を発揮し、甦った往時のパワフルな歌声に大きな拍手が起こった。
順グリ会IIは、笹原優樹さん(S59卒)の指揮で、グリークラブアルバムの愛唱曲の数々を披露した。このあと全体合唱では応援歌、愛唱曲の後、最後は「早稲田の栄光」を参加者全員が肩を組んで歌い、閉会した。

S56卒 生涯の宝物を再確認 強い団結力、演奏で示す

我々の代の特徴は、何と言っても人数の多さ。入部時には50名を超えていた。その年の定演でも、45名がステージに乗ったほど。以来、我が代は、常に40人前後の仲間が在籍し、卒業時には35人、現在も34人が会員である。しかし、我々の代の誇りは、単に人数が多いというだけではない。それらを上回って余りあるほどの、強い団結力に恵まれたことだと、密かに自負している。
今回はOB会の役員でもある井上靖夫君の尽力もあり、全員参加を前提に準備が進められた。選曲は学指揮だった川元啓司君や東京在住のメンバーに一任。その結果、我々の代にとって、最も思い出深い5曲が選ばれた。
具体的には、4年間、心の師とも仰いだ福永陽一郎先生、小林研一郎先生にゆかりの4曲、そして、3学年上で敬愛する三品(森川)智先輩(S53卒)の指揮で歌った曲も選ばれた。さらにピアニストは、迷うことなく、我らがマドンナ、高橋裕子先生で決定。決まれば全力で動くのが我々の真骨頂。早速、合宿を含む練習日程やら、諸々の段取りが行われていった。
だが、今回選んだドイツ語の4曲は、数回の練習で仕上がるような代物ではない。なかんずく、早口言葉のような歌詞の習得は、困難を極めた。それでも、誰一人文句を言う者もなく、自主練に励んだのだから、大したものだ。
何より、数回の全体練習で形にできたのは、指揮者川元君の指導力と、平賀英彦君の夫人が練習ピアニストを買って出てくれたほか、地方の仲間の宿所の手配や、情報共有のためのメーリングリストを整備するなど、仲間達の働きによるものだ。ともあれ、団結力の賜物だと思っている。
今回、現会員34名中24名が参加。演奏の評価はさておき、この会が、4年間寝食を共にした仲間との深い絆を、再び思い出させてくれた。そして、参加できなかった者も含め、この仲間たちが生涯の宝物だと、改めて気付かされた思いである。そして、「早大グリークラブに入って良かった」と、しみじみ感じている自分が、今ここにいる。

吉田秀一(S56卒)

S56卒による還暦ステージ
S57~62卒の順グリ会Ⅱステージ

第26回還暦会&順グリ会

◇「輝く太陽」 指揮:山本 正洋(S57卒)

S56卒 還暦ステージ】

指揮:川元 啓司 ピアノ:高橋 裕子
◇DIE LUSTIGE WITWE(メリー・ウィドウ)より
「Ballsirenen」
◇チャイコフスキー歌曲集より
「ただ、憧れを知る者のみが」
◇「さすらう若人の歌」(G.マーラー)より
「私は灼熱した刀をもっていた」
◇DIE LUSTIGE WITWEより
「Romanze」「Finale」

【順グリ会IIステージ】(S57~62年卒)

指揮:笹原 優樹(S59卒)
◇「Vive L’Amour」    ◇「ビール樽」
◇「I’ve got Six Pence」 ◇「斎太郎節」
◇「Aura Lee」

【全体合唱】

◇紺碧の空   指揮:川元 啓司(S56卒)
◇ひかる青雲  指揮:伊藤 直久(S62卒)
◇U Boj     指揮:森川  智(S53卒)
◇最上川舟唄  指揮:利光 敬司(S60卒)
独唱:小林  晃(S56卒)
◇遥かな友に  指揮:大越  智(S58卒)
独唱:平田 耕造(S57卒)
◇校歌     指揮:横野奏士郎(現役3年)
◇早稲田の栄光 指揮:笹原 優樹(S59卒)