【応援席】湯川紘恵さん~心震わせる人の声の力、楽しく音楽分かち合う

湯川紘恵さん

東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程指揮専攻2年で、2月から稲門グリークラブ・シニア会の指揮者をしています。11月24日の千代田コーラスフェスティバルが初舞台で、「唱歌の四季」を演奏します。
私が音楽の素晴らしさに目覚めたのは小学生の頃に聴いた山崎伸子さんのチェロのカザルス「鳥の歌」でした。中高一貫校の雙葉学園に進み、管弦楽同好会でチェロや指揮をやりましたが、音楽の道に進もうとは思っていませんでした。
しかし、高2の時に東日本大震災が起き、かつて住んでいた岩手県も被災して「最後に人を救うのは音楽かもしれない」と思い、指揮者になろうと決めました。準備が遅く、2浪しました。1浪して入学した私立音大で、お世話になった方から「今ここにある人間関係を大切にしなさい」と言われ、友人にも恵まれて苦しい受験生活も楽しみながら乗り越えることが出来ました。

 藝大1年の時、大学に公開レッスンにいらっしゃった山田和樹先生が「ぜひ、やった方がいい」と背中を押してくださり、同期らと音楽と美術の融合をテーマに「:Dオーケストラ」(現TOKYO ART ORCHESTRA)を結成しました。
思い出深いのは人生を鐘の音に例えた、ラフマニノフの合唱交響曲「鐘」です。振りながら心が震え、泣きそうになりました。人の声の力は素晴らしいと思います。声が集まった時に鳥肌が立つ経験を何度もしました。
今はオーケストラとオペラが仕事の大半で、男声合唱を振らせていただいているのはシニア会だけです。第一印象はとにかく皆さんお元気で、お若い! 嬉しかったのは私の歓迎会で、艶々の声で歌ってくださったクラブソング「輝く太陽」です。何十年も一緒に歌っていらっしゃるからこそのハーモニー、音色があり、素敵だなと思います。
音楽は「音を楽しむ」と書きます。シニア会の皆さんと一緒に音楽を分かち合い、楽しく演奏できることがとても嬉しいです。
皆さん! 今後ともよろしくお願いします。

  (富山県高岡市出身)