現役送別演奏会~「草野心平の詩から」、41年ぶりに熱唱

早稲田大学グリークラブの第69回送別演奏会が2月13日、杉並公会堂で開催された。合同の愛唱曲集ステージ、第112代卒団生によるステージのあと、新体制となった現役生ステージは、男声合唱組曲「草野心平の詩から」(多田武彦作曲)を41年ぶりに取り上げ、見事なハーモニーで歌い上げて好スタートを切った。

現役生ステージの「草野心平の詩から」

第1ステージ「グリークラブ愛唱曲集」は、卒団生と現役生が同じステージで歌う最後の機会となり、各曲のソロ、ゾリはすべて卒団生が務めた。続いて卒団生ステージは「昔懐かしラジオ#1『112代の同窓会が楽しそうな件』」と題して、卒団から50年後に同窓会を開いたという設定で、約20人が「どんなときも。」「夢みたものは」「修二の海」「ヘッドライト テールライト」などの思い出の曲を、横野奏士郎さんの指揮で歌い、最後は沢田研二の「TOKIO」で締めくくった。

第112代卒団生のステージ

最後の現役生ステージは、学生指揮者、床坊太郎さん(新4年)の指揮で「草野心平の詩から」。ワセグリがこの組曲を演奏するのは、1979年の東京六連以来となる。各パートのバランスが良く、深くやわらかい声とハーモニーで、「石家荘にて」「天」と雄大な風景を描き出し、3曲目の難曲「金魚」もデリケートなハモりで「輪郭もない夢の世界」を表現した。そして「志戸平温泉~」の見事なテナーソロで始まった「雨」、終曲「さくら散る」と突き進み、鮮やかなフィナーレ。演奏後、大きな拍手と(主に卒団生による)「ブラボー」コールが沸き起こった。アンコールで歌った男声合唱組曲「吹雪の街を」(伊藤整作詩、多田武彦作曲)より「夏になれば」も、2人の美しいテナーソロなどで聴かせた。

最後は卒団生が再び加わって「紺碧の空」「遥かな友に」を歌って終演した

六連「J-POPで振り返る平成」、四連は「遊星ひとつ」を演奏

現役グリーは今後、5月2日(土)の第69回東京六大学合唱連盟定期演奏会(府中の森芸術劇場どりーむホール、16:30開演)で、「J-POPで振り返る平成」(田中達也編曲)を学指揮の床坊太郎さん(新4年)の指揮で演奏。合同演奏はワセグリOBの山脇卓也さん(H10卒)の指揮で、田中達也氏の委嘱作品「男声合唱とパーカッションのための『この日を捕らえよ』」(谷川俊太郎作詩)を初演する。

6月28日(日)の第69回東西四大学合唱演奏会(兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール、15:00開演)では、男声合唱とピアノ(四手)のための「遊星ひとつ」(木島始作詩、三善晃作曲)を、清水敬一氏の指揮、小田裕之、清水史の両氏のピアノで演奏する。