OB六連、「夢の意味」叙情豊かに

第12回東京六大学OB合唱連盟演奏会(OB六連)が7月17日、東京・池袋の東京芸術劇場コンサートホールで開催されました。新型コロナウイルス禍のために4年ぶりの開催となったOB六連で、ワセグリOBで構成する稲門グリークラブは、男声合唱とピアノのための組曲「夢の意味」(作詩:林望、作曲:上田真樹)を、小林昌司さん(H29卒)の指揮、前田勝則先生のピアノで演奏。40人余りの幅広い世代のメンバーが「夢」に「現世」「人生」を重ねながら、重厚で温かいハーモニーで叙情豊かに歌い上げました。

「夢の意味」を演奏する稲門グリークラブ(撮影:スタッフ・テス)
本番前のリハーサルに向かうオンステメンバー

「夢の意味」は2007年に混声合唱組曲として作曲され、翌08年に早稲田大学グリークラブが定期演奏会で男声版を委嘱初演しました。林望氏の5篇の詩は「ゆめのような/うつつのような」を一貫したテーマに、幼少期・少年期から大人になっていく過程の追憶、人生の振り返り、無常観へとつながり、上田真樹氏の美しい旋律とハーモニーが柔らかく包みます。

稲門グリーは小林さんの指揮で、深い発声による多彩な音色、ダイナミズムを駆使して、曲調を繊細に表現。曲中、随所に登場したソロ、ゾリも見事な歌声を披露しました。演奏後、会場からひときわ大きな拍手が沸き起こり、来場いただいた作曲者の上田氏からも拍手をいただきました。

稲門グリーにとっては、19年の第22回東西四大学OB合唱連盟演奏会(OB四連、大阪開催)以来、3年ぶりのステージ。「夢の意味」は21年のOB四連で演奏する予定でしたが、コロナ禍で中止となり、今回のOB六連で再挑戦となりました。今年2月から、コロナ対策を徹底しながら20回を超す練習をして、この日の本番にこぎ着けました。他の5団体も、前回開催できなかった4年分の思いが込もったような好演、熱演が相次ぎました。

最後の合同演奏は、6大学の校歌を皆で歌うエール交歓。早稲田大学校歌は笹原優樹さん(S59卒)の指揮で、約160人の大合唱による「都の西北~」が響き渡りました。