万感の思いを込めた見事な卒団生ステージ! 最高の4年間だったね。
新井晴晶君(部長)、小林昌司君(学指揮)ら卒団生21名が、万感の思いを込めた素晴らしいステージを最後に現役グリーから去った。
「ハモれない109代のための男声合唱組曲『4分33秒』」と題したこの日の為の卒団生ステージは会場を感動で包み込んだ。いきなり強い足踏みをしながら雄叫ぶようなアカペラでスタートしたが、後はピアノと共に加藤登紀子詩曲の「時には昔の話を」など叙情味豊かな佳品の数々を次々に情感豊かに歌い続けた。約20分、それぞれの4年間の様々な場面が脳裏をよぎっていたに違いない。彼らの思いがじんじん伝わってきた。エンディングに哀感も漂う校歌の1節を歌った時は私も感極まった。小林君が「本気で取り組んできました」と話していた通り、構成・編曲(久田菜美)・歌唱・ハーモニー・メンバーの表情の全てが満点のステージ。もちろんこれは1度きりの彼らだけの財産で、「幻のステージ」と語り継がれるに違いない。
送別演奏会は毎年特別の思いで聴き続けている。「こいつら、本当にこれで最後なんだな」という感傷的な思いと、卒団生が去った後の現役初ステージへの期待感。今年はハーバードとの合同演奏会があったが、送別の為に練習を重ねた作品を披露する日でもある。総員65名で、古いOBには懐かしい「Sea Chanties」4曲を歌った。文字通りワセグリと言える力強い叫びと哀感を上手く歌い分けていたが、この曲集の特徴でもある柔軟性がやや不足していたかも知れない。ただ今年も、ワセグリの懐深い豊かな響きは健在。かけつけた多くのOB達も安堵し、期待に胸を膨らませていた。後藤貴央部長も「新勧に万全を尽くし、定演オンステ100名を実現します」と力強く話していた。素晴らしい109代に続く110代も最高の年にしてくれるだろう。
最後に卒団生も再び壇上に加わって新旧トップパトリの二人ソロによる「遥友」で閉幕。元気に溢れたロビーストーム中も余韻に酔い続けた。(徳)