4月16日(日)、渋谷区文化総合センター大和田さくらホールにて、早稲田大学グリークラブOBメンバーズ・コンサート2017を開催いたしました。2000年に第1回演奏会を開催して以来、今回が第13回目の単独演奏会です。
今回のハイライトは、100周年記念OB演奏会での「縄文」以来、OBとしては久し振りに荻久保和明氏を指揮者にお迎えし、早稲グリが31年前に男声版を委嘱初演した荻久保氏の代表作「季節へのまなざし」の演奏でした。早稲グリとは〝切っても切れない〟繋がりのある荻久保氏と早稲グリOBとの9年ぶりのコラボレーションは大きな反響を呼んだようです。
演奏会後に寄せられたお客様の声をご紹介します。
- 荻久保先生本人指揮の『季節へのまなざし』がすごいという話は聞いていたが予想以上だった……!!1曲目が終わった時点で「これはもう一体どうなってしまうんだろう、片時も目を離せない」というワクワクした緊張感が客席に満ちていた。
- 最初から最後まで早稲田の音に圧倒されました!荻久保先生が『ゆめみる』の「ひとは夢みる」以降、楽譜を完全に閉じたのが非常に印象的でした。
- 自分としては10年に1度あるかどうかの感動度、完成度であった。まったく飽きることなく、最後まで手に汗にぎる感じだった。
- 今回またひとつ、早稲グリの歴史に「伝説」が生まれました。その伝説に立ち会えたことを、ありがたく思います。
ご来場いただいた皆さま、誠にありがとうございました。これからもOBMは、常に早稲グリOBとしてでき得る最高の演奏を目指して頑張っていきます。次回演奏会では是非ステージで一緒に歌いましょう!
代表幹事 井上靖夫(S56卒)
表現の深さ・覚悟に感動 OBの挑戦、現役にも刺激に
感動した。客席にいることが悔しく、ステージの男たちが羨ましかった。良い曲の、良い演奏を、良い仲間と、という思いが見事に具現化された演奏会。「季節へのまなざし」を作曲者荻久保和明の指揮、前田勝則のピアノでという並々ならぬ意欲を感じさせる企画であり、メンバーもそれに応えて覚悟を持って臨んでいることが伝わってきた。
まず、校歌から腰の据わった演奏で、個々の素晴らしい声とパートの響きの統一の両立が達成されていることを印象づけた。
第1ステージの多田武彦作曲「父のいる庭」は、指揮の伊藤直久が要求する細やかな言葉さばきが伝わってくる沁み入るような演奏だった。生命のバトンを託し託されていることを実感した大人ならではの味わいを随所に感じさせた。
第2ステージのブラームス作曲「Nanie」も丁寧な音楽づくりで、指揮の佐久間宰士の思いの深さが感じられた。上杉奈央子のピアノも美しい。対位法を駆使した混声合唱曲を編曲すると、通常の男声では声部の絡み合いと広がりを表現しきれないことが多いのだが、Bassの強力な低音の鳴りに支えられ、寄せては返すメロディーの波が客席に届いていた。 第1、第2ステージとも、指揮者の強い構築への意思が感じられた。
そして圧巻の最終ステージ。尋常でない説得力で、非常にスケールの大きな演奏。「風は立ち」と歌い出し、美しいなあと思った次の瞬間、「匂い」という単語ひとつで、もう別世界に連れて行かれた。圧倒的なffから研ぎ澄まされたpp、表現の深さ、幅の広さ。この演奏に立ち会えて幸福だと心から思った。
帰路、アンコール「IN TERRA PAX」について興奮した様子で感動を語り合う高校生らしき一団に遭遇した。この子たちが将来のグリーメンになってくれるかな、と思い嬉しかった。OBの挑戦は現役の隆盛にも寄与できる、そう感じた演奏会であった。=文中敬称略
まず、校歌から腰の据わった演奏で、個々の素晴らしい声とパートの響きの統一の両立が達成されていることを印象づけた。
第1ステージの多田武彦作曲「父のいる庭」は、指揮の伊藤直久が要求する細やかな言葉さばきが伝わってくる沁み入るような演奏だった。生命のバトンを託し託されていることを実感した大人ならではの味わいを随所に感じさせた。
第2ステージのブラームス作曲「Nanie」も丁寧な音楽づくりで、指揮の佐久間宰士の思いの深さが感じられた。上杉奈央子のピアノも美しい。対位法を駆使した混声合唱曲を編曲すると、通常の男声では声部の絡み合いと広がりを表現しきれないことが多いのだが、Bassの強力な低音の鳴りに支えられ、寄せては返すメロディーの波が客席に届いていた。 第1、第2ステージとも、指揮者の強い構築への意思が感じられた。
そして圧巻の最終ステージ。尋常でない説得力で、非常にスケールの大きな演奏。「風は立ち」と歌い出し、美しいなあと思った次の瞬間、「匂い」という単語ひとつで、もう別世界に連れて行かれた。圧倒的なffから研ぎ澄まされたpp、表現の深さ、幅の広さ。この演奏に立ち会えて幸福だと心から思った。
帰路、アンコール「IN TERRA PAX」について興奮した様子で感動を語り合う高校生らしき一団に遭遇した。この子たちが将来のグリーメンになってくれるかな、と思い嬉しかった。OBの挑戦は現役の隆盛にも寄与できる、そう感じた演奏会であった。=文中敬称略
新井康之(S61卒)