磯部俶先生にゆかりのある合唱団14団体が11月5日、「磯部俶生誕100年記念 合唱の集い」を東京・東陽町の江東区文化センターホールで開いた。演奏曲目はすべて磯部作品で構成され、各団体がそれぞれの思い出の歌を披露した。最後には約300人の出演者全員で「遥かな友に」を歌って、磯部先生をしのんだ。
会場となった江東区文化センターは、磯部先生がかつて合唱教室を開いて、多くの人を指導した思い出の場所でもある。
最初に登場した、いそべとし男声合唱団は、須賀敬一さん(S30卒)の指揮で、「あじさい」「松の花」を演奏。その後、各団体が合唱組曲や子どもの歌など、美しい日本語を心にしみるメロディーとハーモニーで包んだ多彩な「磯部ワールド」を歌い上げた。
ワセグリOB会の関連団体では、稲門グリークラブ・シニア会が耕納邦雄さん(S37卒)の指揮で「ねずみ」「ふるさとの野いばら」を演奏。横浜稲門グリークラブが加藤治信さん(S38卒)の指揮で「藤棚の下にわたしは眠る」「横浜はじめて物語」を歌った。
合同演奏では、女声合同が磯部先生のご子息、磯部周平さん指揮で「時無草」(室生犀星詩)、男声合同が須賀さん指揮で「ふるさと」(同)を演奏。最後は14団体の出演者全員がステージに上がり、磯部周平さん指揮で「遥かな友に」を聴衆と一体となって歌って、閉幕した。
杉野耕一(S59卒)
打上げレセプションも大いに盛り上がった。全員で磯部先生の生誕100年をお祝いしようという明るい雰囲気。遺影の周囲に先生が大好きだった日本酒が並べられ、先生と一緒に飲み歌い談笑を続けた。2つの合唱団と合同演奏を指揮し、この日の主役とも言うべき子息・周平氏は「クラリネット奏者としては最優秀と自負していますが、指揮者としてはまだまだ。皆さんのご鞭撻を得ながら、偉大な父が残した素晴らしい作品を広める努力を続けます」と謝意を述べた。磯部先生は東唱仲間だった和さんと1946年に早々と結婚、周平氏は49年に誕生した。幼少期から音楽の道を歩んだ周平氏は作曲・編曲も手がけ、磯部作品の魅力をしっかり受け継いでいる。「磯部作品は永遠です!」。参加者全員が確信した1日だった。
徳田浩(S31卒)
「合唱の集い」の参加団体は次の通り(出演順)。
いそべとし男声合唱団▽フラウエンコールいそべ▽中富良野混声合唱団コール・フローラ▽コール77男声合唱団▽フレーベル少年合唱団OB会▽湘南女声合唱団▽コーロこせやま▽女声合唱団 虹▽クールオルタンシア▽宮代コールフロー女声合唱団▽稲門グリークラブ・シニア会▽女声合唱団横浜木せい会▽横浜稲門グリークラブ▽桜友女声合唱団