倶楽部グリーは10月5、6日、総勢33名(夫人6名同伴含む)で、米サンフランシスコ(SF)を訪問し、演奏会を開いた。SF最古の教会オールドファーストチャーチ、仏教会、引退した富裕層が住むロスモアの3カ所で、丸山はるお(S42卒)編曲・指揮による映画音楽、カーペンターズ、アメリカンフォークソング、70年代日本のフォークソングなど懐かしのポップスを歌った。
東京芸術大学大学院作曲科在学の山中麻鈴さんのピアノ伴奏に乗せて歌うと、日系人だけでなくアメリカ人も歌を口ずさみ、涙ぐむ人もいて大きな喝采を浴びた。平均年齢74歳のメンバーに近いシニアの聴衆だったからか、同世代の懐メロが心に沁みたのだろう。歌、特に懐メロは国を越えて心に響くことを教えられた。
倶楽部グリーは、4年前、ロスアンゼルス稲門会から呼ばれて現地で歌って喜ばれた経験があり、同じことをSFで出来ないかとの声が上がっていた。SFには金融の仕事の傍ら稲門会と合唱活動を続けてきたグリークラブの先輩の二川丈夫さん(S36卒)がいることが判り、筆者(中嶋勝彦)が連絡を取り、SFまでお願いに上がった。
二川さんに紹介されたSF稲門会会長のフランクリン裕子さんと共にロスモアに住む二川さんを訪ねると、話題が尽きず、5時間以上も話が弾んだ。それからお2人が演奏会開催に向けて尽力くださった。1年3カ月の間に、二川さんとは30回ほど電話で打ち合せをし、会場設営に奔走くださったF・裕子さんとは300通以上のメールをやりとりした。絶大な支援には感謝するばかりです。
SF到着の夜はSF稲門会、二川さんがメンバーの男声合唱団コラールメイ、女声合唱団フォレストクワイアの皆さんが歓迎会を開いてくださった。両合唱団は二川さんが伝えていたグリーの愛唱歌「遥かな友に」「いざたて戦人よ」「希望の島」「時計台の鐘」などを暗譜していて、全員でハモリ、大いに盛り上がって温かくも嬉しい交流の場となった。
オールドファーストチャーチとロスモアでは、アンコールに二川さん所望の「ふるさと」(磯部俶作詞作曲)、「You Are My Sunshine」「上を向いて歩こう」を両合唱団と共に演奏した。残念なことに、二川さんが直前に胃がんの手術を受け、退院がロスモア演奏会の2日後となったために来ることができなかった。
二川さんと同期の長澤護さん(S36卒)、辻田行男さん(S37卒)、工藤悠一郎部長(S40卒)、若杉進二(S45卒)、中嶋が入院先を訪ねて病室で愛唱歌を歌うと、二川さんは涙を流して喜ばれた。ロスモア演奏会にビデオメッセージを寄せてくださる演出があった。
中嶋勝彦(S42卒)