早稲田大学グリークラブは9月22~25日、中国・上海演奏旅行を挙行しました。現地で上海師範大学、復旦大学とそれぞれ交流演奏会を開き、親睦を深めました。
23日は午前中に上海師範大学老年大学と交流。18時から師範大の学生合唱団と交流演奏会を開催しました。24日は15時半より復旦大学の学生合唱団、校友によって編成された合唱団と交流演奏会を開きました。
早稲田は「秋のピエロ」「U boj」「酒頌」「なごり雪」「最上川舟歌」「斎太郎節」「遥かな友に」などの愛唱曲とともに、中国語で「月亮代表我的心」を演奏。合同演奏では「信じる」「朋友(中国語)」を歌いました。
前回演奏旅行から10年、次の10年に向けて
10年前に私たち102代目が交流した相手と同じで、ほぼ再演という形で演奏会を開催しました。あるOBとの会話の中で、10年前にも来たことを話すと「老朋友」と迎えてくれ、その月日を経て再演をしたことは中国の人々の心に熱いものを与えたことでしょう。10年という月日は長いようで短いもので、短いようで価値のある時間に思いました。
10年前、私は中国に対して、田舎臭い新興国という偏見を持って臨み、自転車の多い道路事情やトイレの様子などでは予想通りのところがあった反面、一方では街の発展の様子や人々の営みに先入観を打ち砕かれたものでした。
今回、学生たちはどのような印象を受けたことでしょうか? 今や日本よりも経済規模で上回った国であるわけですから、近代化をしっかりと受け止めた学生もいるかもしれません。
演奏は尻上がりに良くなっていきました。ステージを見ておりますと、学生指揮者の横野奏士郎君も相手の勘どころがだんだんわかってきたような印象で、演奏の仕方を少しずつ変えていたようでした。それもまた相手の文化を理解できたという大切な気づきであり、合唱を通じたエンターテイメントを上海の方々に届けられたのではないかと思います。
街が発展し、住環境が変化していっても、人間の考え方はそんなに変わらないもので、もし中国から日本に来る際は受け入れ、また次の10年に向けて関係を続けていってほしいものです。
熊崎陽一(H22卒)