2018年春に誕生した早稲田大学女声合唱団が10月26日、早稲田奉仕園スコットホールで第1回演奏会を開催、意欲的なプログラムを好演して熱い祝福を受けた。オープニングの校歌はワセグリ同様、ユニゾンから3番に転調し、見事に統一された発声と正確なピッチに、凄い合唱団の誕生を強く印象つけた。演奏会は「Old Gjeilo選曲集」「POPS SONGS」「女声合唱曲集・笑いのコーラス」と意欲的なステージが続いた。2ステでは星野源「アイデア」などの曲を身振り手振りも入れながら、笑顔いっぱいに歌うパフォーマンスも秀逸で、随所に今後の伸びしろを感じさせた。メンバーの大半が1、2年生で、早い時期に立派な合唱団として定着することを確信させる熱演だった。
この合唱団は2人の仕掛け人からスタートした。一人は大学院生の兼重麗弥さん(学生指揮者)、そしてもう一人はワセグリのサブ学指揮、床坊太郎君(3年)。2人は真っ先に顧問・指揮者をグリー先輩の山脇卓也さん(H10卒)に、ボイストレーナー・ピアニストを東京混声合唱団の小林音葉さんに依頼して、指導陣を固めてから団員募集を始め、設立から1年余りで演奏会開催に漕ぎ着けた。
床坊君は団の幹事長を務め、ファルセットでアルトを歌うほか、2ステを指揮した。1ステは学指揮の兼重さん、3ステは山脇さんが振ったが、小林さんの発声指導も大きく貢献したようだ。筆者もこの合唱団の誕生に大きな喜びを感じ、「恐るべし、わせ女パワー」を痛感した。
知る人はほとんどいなくなったが、早稲田に女子学生が極めて少なかった昭和30年前後の10年間、ワセグリの兄妹団体として同名の合唱団(通称ワセグリ・ルモコール)が存在し、ピーク時には20名のメンバーがいた。指導は原則としてワセグリの次年度学指揮が務めていた。この日、団の創始メンバーでリーダーを務めていた富永孝子さん(S30卒)が来場し、感無量で聴き入っていた。
徳田 浩(S31卒)