「音楽は言葉で説明するものではない。表現がすべてであり、わかる人にはわかる、わからなければそれもやむをえない。だが、そう突き放されることでどれだけの音楽が私たちの手を離れていっただろう」
最相葉月「絶対音感」
▼2020年が始まりました。ワセグリの現役・OBは今年も多くの演奏会を予定しています。でも音楽や感動を言葉で伝えるのは難しいと実感しています。音楽評論家の演奏評はどこか上から目線で、実際に演奏を聴いた人、演奏家のファンでしかわからないような記述・表現が多すぎます。
▼本紙やOB会サイトの記事はあえて「素っ気なく」「淡々と」書いています。過度な感情移入や「内輪受け」は、かえって読者が引いてしまいます。OBや現役以外の方でもわかりやすいように心がけています。
▼OB会はツイッター、フェイスブックなどのSNSも活用しています。「いいね!」がたくさん付くのは嬉しいですが、ネットで話題になる「バズる」は、必ずしも「伝わる」ことではないとも感じています。編集部では今年も試行錯誤しながら、より親しまれる記事、共感を呼ぶ紙面を目指していきたいと思います。