東京オリンピック・パラリンピックが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の中で開催されました。この間、国内の感染者数は急増し、「平和の祭典か、命か」などと世論が二分される異例ずくめの大会となりました。
▼そんな状況下で、アスリートの気持ちを象徴していたのが柔道男子73㌔級で連覇した大野将平選手の言葉です。「(開催に)賛否両論があるのは理解していますが、我々アスリートの姿を見て、何か心が動く瞬間があれば光栄に思います」
▼大半の競技が無観客開催となりながら、五輪閉幕後の各種世論調査では「五輪をやって良かった」との声が多数を占めました。複雑な国民感情の中でも、アスリートの躍動は確実に人々の心を動かしたのです。
▼コロナ禍の長期化で、今年も現役・OBの演奏会が相次ぎ中止となりました。合唱で以前のような活動ができるようになるまで、まだまだ時間がかかりそうです。しかし、歌には人々に「心が動く瞬間」を届ける力があります。しっかりしたコロナ対策をして演奏会を開いた合唱団も少なくありません。今できることを着実に実行して、焦らずに進んでいきたいものです。