「タイパ」という言葉が流行しています。タイムパフォーマンスの略語で、動画を早送りの倍速で見る、小説はあらすじだけ、と効率性や手っ取り早さを求めるあまり、余計に忙しくなり、せわしさを感じてしまうといったジレンマを抱えている人も多いようです。
▼アマチュア合唱団の活動はタイパの対極にあるといえるでしょう。長い期間をかけて何度も集まって歌い、ハーモニーや表現法を確認しながら、納得のいくまで練習を繰り返します。最近は音取り音源や練習動画が普及してきたとはいえ、基本は変わりません。
▼「運鈍根」。古来、物事を成し遂げるのに必要な条件に「好運・愚直・根気」が挙げられています。ワセグリも昔から、素晴らしい指導者や演奏舞台に恵まれ、各世代がより良い音楽を目指して努力と試行錯誤を続けてきました。現在の現役・OBの活動もその延長線上にあるといえます。
▼OB会は「コバケンイヤー」と呼ばれた創立70周年記念演奏会、OB四連のビッグイベントが終了しました。現役はコロナ禍からの再生の途上にあります。これからもお互いに運鈍根の精神で、着実な歩みを積み重ねていきたいものです。