「ブルシット・ジョブ」。無意味で、なくても誰も困らない仕事を指すこの言葉は、米国の文化人類学者デヴィッド・グレーバーが提唱し、著書は世界的なベストセラーになりました。現代社会は収入や社会的地位は高くても、無駄な仕事にあふれていると言います。
▼コロナ禍で、暮らしの基盤を支える医療従事者や運送・清掃作業員などのエッセンシャル・ワーカーに光が当たりました。でもキツくて待遇が悪い状況に変わりはありません。仕事には格差や矛盾があり、閉塞感、生きづらさを感じている人も多いことでしょう。
▼人間にとって、仕事とは、ただ生活の糧を稼ぐための手段ではありません。社会とのつながりであり、その成功や失敗を通じて成長し、誇りを獲得していく大切な営みでもあります。
▼翻って、合唱団の活動もある意味、泥臭くて面倒くさい作業の連続です。大勢の人が集まって時間を共有し、練習や事務の労を執ってくれる人たちがいて成り立ちます。ワセグリOB会も創立70周年事業を終え、新たなステップを踏み出しました。これからも多くの人がつながって、有意義な時間を過ごせるコミュニティーでありたいものです。