早稲田大学グリークラブの第72回定期演奏会が12月8日、東京・錦糸町のすみだトリフォニーホール大ホールで開催されました。6年ぶりの4ステージ構成で、60人余りのメンバーが躍動感あふれる歌声で、動と静、硬軟自在の演奏を披露して、会場を沸かせました。
第1ステージは、3月の送別演奏会でも演奏した無伴奏男声合唱曲集「じゆびれえしよん」(信長貴富作曲)を、学生指揮者の井上拓海さん(4年)の指揮で再演。1年生も加えて、より磨きのかかったハーモニーを聴かせました。
第2ステージは「ワセグリ ラブソングスペシャル!!」(委嘱初演=田畠佑一構成・編曲)。池田守さん(4年、部長)の指揮、田畠氏のピアノ、矢黒花枝氏のヴァイオリンに、芸達者なメンバーによる楽器が加わって華やかなステージになりました。ギターの弾き語りから始まり、AKB48の「ヘビーローテーション」あたりからメンバー全員での踊り・振付も全開。久保田利伸「LA・LA・LA LOVE SONG」、平井堅「ポップスター」、小田和正「ラブストーリーは突然に」などを歌い継ぎ、最後はKAN「愛は勝つ」を高らかに歌い上げました。
休憩をはさんで第3ステージは男声合唱組曲「御誦(おらしょ)」(大島ミチル作曲)。気鋭の若手指揮者の米田覚士氏を迎え、ピアノ:山口香菜子氏、パーカッション:篠崎智氏、難波芙美加氏の構成で、隠れキリシタンの魂の祈りを圧倒的なスケールで歌いました。金成佳枝氏の「獅子の泣き唄」の見事なアルト独唱の後、怒濤のフィナーレへ。演奏が終了して数秒間の静寂、やがて大きな拍手と「ブラボー」の連呼が起こりました。
第4ステージは男声合唱組曲「明日へ続く道」(千原英喜作曲)を、2012年の初演を指揮した清水敬一氏の指揮、小田裕之氏のピアノで演奏しました。手足が不自由になり、口に筆をくわえて創作活動をした詩人・画家、星野富弘の自伝的な詩、陰影に富んだハーモニーを繊細に表現しながら、最後は明日への希望を力強く歌い上げました。
アンコールは清水氏指揮で4ステの2曲目「もう一度」のピアノ伴奏版、米田氏指揮で「酒頌」(上田真樹作曲)を演奏。そして学生の指揮でTVドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の主題歌「恋」(星野源)を、「恋ダンス」も入れて歌って会場を再び沸かせた後、「虹」(森山直太朗)、「遥かな友に」でしっとりと締めくくりました。
そして恒例のステージストームでは「紺碧の空」「ひかる青雲」「斎太郎節」「早稲田の栄光」を歌い、大きな拍手に包まれながら終演しました。