「早稲田の栄光」「ひかる青雲」などを作詞した岩崎巖(1925~2020)の生誕100周年祭が3月8日、早稲田大学大隈講堂で開催されました。長男の岩﨑彰夫さん(81年教育学部卒)が歌に込められた思いを解説し、グリークラブと応援部が出演して、2つの歌を会場の聴衆とともに力強く歌い上げました。

岩崎巖は戦時中の1943年に早稲田大学専門部法律科に入学、軍務を経て、戦後に早大政治経済学部政治学科に復学して、47年に「ひかる青雲」を作詞しました。卒業後、教員をしながら50年に「精悍若き」、52年に「早稲田の栄光」「あの眉若人」を作詞したほか、数多くの学校の校歌・学生歌の作詞・補作を手がけました。


岩﨑彰夫さんは講演で、父の岩崎巖が幼少期に父母と死別して養父母に育てられ、大学時代に戦争で多くの仲間を失ったことを紹介。そのうえで「早稲田の栄光」について「テーマは『虹』。戦争で亡くなった友への鎮魂の思いを抱きながら、若い人に明るく前に進んでほしいという思いが込められています」と話しました。
一方、「ひかる青雲」は「戦争からの解放感、生きている喜びに満ちあふれている『生きていることへの讃歌』です。従来の漢文調ではなく、やわらかい言葉で、生きている喜びを歌に乗せたいとの強い思いがありました」と語りました。2曲とも、大隈講堂で、グリークラブOBの長尾要さん(S24卒)の独唱・歌唱指導で初演されたことを紹介しました。そして「父の魂はきっと早稲田、この大隈講堂にあると思います。今も早稲田で学ぶ学生を励ましながら、平和な時代を願っています」と結び、大きな拍手を受けました。
このあと応援部とグリークラブが、聴衆とともに「早稲田の栄光」を4番まで斉唱し、最後は「フレー、フレー、イワオ」のエールで閉会しました。
