第74回東西四大学合唱演奏会が6月22日、東京・錦糸町のすみだトリフォニーホール大ホールで開催されました。早稲田大学グリークラブは男声合唱とピアノのための組曲「夢の意味」(作詩:林望、作曲:上田真樹)を、相澤直人先生の指揮、作曲者の上田先生のピアノで演奏しました。46人のメンバーが夢と現世(うつつ)の世界観、生のきらめきを繊細に、鮮やかに歌い上げました。
「夢の意味」は、ワセグリが2008年の定期演奏会で男声版を委嘱初演し、その後の上田作品の「終わりのない歌」(11年)、「心の決めたところへ」(22年)の委嘱初演につながっていきました。
ワセグリのステージは全体的にダイナミズムを抑えめにしながら、幼少期~青年期の夢の追憶、人生の振り返り、「夢とは何か、生きることとは何か」を問いかける5篇の詩を、繊細に、情感豊かな歌声で歌い継ぎました。「ゆめのような/うつつのような」「せめてはゆめよ/さめるなゆめ」、そして「玉響(たまゆら=ほんの一瞬)の命」と、夢の名残や人生の無常観をたたえながら、深い余韻を残して演奏が終了しました。会場から盛大な拍手が起こり、共演した作曲者の上田先生にも大きな拍手が送られました。
合同ステージは「若者たち 昭和歌謡に見る4つの群像」(編曲:信長貴富)。今年が「昭和100年」「戦後80年」になるのを記念して、「戦争を知らない子供たち」「拝啓大統領殿」「ヨイトマケの唄」「若者たち」の4曲を、佐藤正浩氏の指揮、前田勝則氏のピアノで演奏。アンコールには「春に」(作詩:谷川俊太郎、作曲:木下牧子)、四連各校のクラブソングや応援歌が歌詞に織り込まれている「響け、彼方へ」(作詞:伊東恵司、作曲:信長貴富)を歌いました。恒例のステージストームで、早稲田は今年も「斎太郎節」を演奏しました
各団の単独ステージのオンステ人数は、早稲田46人、慶應35人、関学32人、同志社37人。同志社を除く3団体は1年生も出演し、エール交歓や合同ステージでは慶應から単独の2倍近い60人余りがオンステして、総勢で180人近い大合唱となりました。
《第74回東西四大学合唱演奏会》
1.関西学院グリークラブ
「Magic Songs」
作曲:Raimond Murray Shafer
指揮:広瀬康夫
2.早稲田大学グリークラブ
男声合唱とピアノのための組曲「夢の意味」
作詩:林望、作曲:上田真樹
指揮:相澤直人 ピアノ:上田真樹
3.同志社グリークラブ
男声合唱組曲「雪と花火」
作詩:北原白秋 作曲:多田武彦
指揮:伊東恵司
4.慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団
「R.シュトラウス歌曲集」
指揮:佐藤正浩 ピアノ:前田勝則
5.合同ステージ
「若者たち 昭和歌謡に見る4つの群像」
編曲:信長貴富
指揮:佐藤正浩 ピアノ:前田勝則