2016年12月18日、日本点字図書館チャリティコンサートが府中の森芸術劇場どりーむホールで開催されました。
このコンサートは、岡村喬生先輩(S29卒)が同図書館の理事であることを契機に実現したものです。私がこのコンサートに関わり始めたのは16年からですが、なんと3年前から準備がスタートし、ちょうど本番3年前の13年12月18日に初会合が開かれたそうです。
今回、岡村先輩がきっかけであったこと、早慶による歌合戦であったことなどから、関係者一同、気合を入れて準備を進めました。早稲田の練習は9月17日から毎週1回のペースで行いました。
ただ、本番までの道のりは平坦ではありませんでした。チケットの販売は伸びず、合唱のクオリティーも当初は不安を覚えるものでした。点字図書館では2千人規模の会場でのコンサートは初めての経験だったため、早慶も協力して、チラシ挟み込み、参加者を通じたチケット販売などを進めていきました。また、指揮者の佐藤拓さん(H15卒)によるメリハリのある練習で、徐々に音楽が形作られていきました。特に「水のいのち」は、最終的に13年の小林研一郎先生との演奏会とは異なる新たな感動を得ることができたのではないでしょうか。
本番当日は早稲田が90名、慶應は78名が出演、1242名のお客様にご来場いただきました。チケットは1500枚以上売れたと聞いており、300万円以上のチャリティーにつながったことになります。改めてオンステいただいた皆様、ご来場いただいた皆様に感謝申し上げます。
(丸岡晶=H11卒)
◎岡村先輩が激励「心揺るがす力を」 大室先生「鳥肌立った、神がかっていた」
日本点字図書館コンサートで早慶歌合戦を〝演出〟した岡村喬生先輩(S29年卒)はコンサートの打ち上げで、稲グリの演奏について「今日は下手じゃなかった。いつも知っている(演奏)より良かった」と、独特の表現で評価してくださった。そのうえで「まだクラブというところから離れていない。この合唱団は日本の中でいいところに行くかもしれない。だけど人の心を揺るがす力は、相当良い演奏家にコントロールされ、良い音を出していかないと、これ以上にはならない」と激励していただいた。
打ち上げでは、2013年の小林研一郎先生指揮の「水のいのち」に引き続きピアノ伴奏を務めた大室晃子先生が「曲の出だしに鳥肌が立った。佐藤拓さんの指揮は神がかっている」と最大級の賛辞。練習ピアニストの佐藤美佳先生も「本当に神がかっていた。ピアニシモがすごかった」と話した。
◎聴衆の87%が「大変良かった」 アンケート調査、98%が満足
日本点字図書館がコンサートの聴衆に実施したアンケート調査で、演奏の評価について87%が「大変良かった」と回答した。「良かった」の11%と合わせると98%が好評価で、「良くなかった」「どちらでもない」は各0%、「無回答」2%と、聴衆の満足度が極めて高かったことが浮き彫りになった。
調査は来場者110人を対象に実施し、74人から回答を得た。回答者の平均年齢は72.0歳。「演奏会を何によって知ったか」(複数回答)では、「友人・知人から」の28%に続き、「出演者より」が16%で、早慶両団体のチケット販売努力が効果を上げたことも分かった。
回答者の声でも「素晴らしい歌声に感動した」「これだけ大勢の合唱は大変貴重です」「入場料2000円は安い!」「司会が良かった」など好意的な意見が多く寄せられた。その一方で、「歌が難しいので、ポピュラーな歌をお願いしたい」「聴衆が一緒に歌える日本の歌があってもよかった」との声もあった。