コロナ禍の下、2020年2月からあらゆる活動が中止となっていた中、ここにきて世間の情勢もそろそろ良しと、倶楽部グリーが「杉並合唱フェスティバル」に招待された。21年に入ってから団としての練習は断続的に進めており、「10分以内の演奏時間なら2曲くらいだから大丈夫」と出演OKとなった。
21年12月12日、杉並公会堂大ホールで午後の部に出演。声出しなし、練習なしで客席待機。先に区内の小・中学校の合唱団4団体が順次演奏。澄んだ声、なんとも可愛い。
そしていよいよオンステ。1曲目「岬めぐり」(山上路夫作詞、山本厚太郎作曲)、2曲目「卒業写真」(荒井由実作詞・作曲)で、いずれも丸山はるお(S42卒)編曲。工藤悠一郎(S40卒)指揮者が動き、ピアニストの永井みなみさんが前奏を弾き始めて演奏がスタートした。
1曲目、久しぶりの本番に心地よい緊張がみなぎる。出だし良し、そして歌い込んでいる曲なので問題なく歌い切った。ホールの案内では、拍手のタイミングは各団演奏が全曲終わった時点でとのことだったが、1曲目が終わったところで拍手が来た。平均年齢78歳のじいさん合唱団が受け入れられた瞬間だ。
気をよくして2曲目へ。「卒業写真」は倶楽部グリーとして初演。何人か譜持ちのメンバーもいたが、パートのバランスもよく、ユーミンの雰囲気も少し出ていたのではと思われる演奏ができた。
《演奏への客席感想》
◇演奏後、引き上げる我々を見つけた何人ものおばさんたちが手をたたきながら寄ってきて「よかった~、自然に涙が出ちゃった…」「他の曲も聴きたい!」「心があったかくなった」
◇受付けのおばちゃん「『岬めぐり』感動、また歌ってほしい」
◇メンバーのお客様の女性「歌に合わせて身体が動いた。ずーっと聴いていたかった」
◇グリーOB(S38卒)「卒業写真、初演ながらよかった。ただメロディーパートだけが頑張ると返ってバランスが悪い。ポピュラー曲は自然に歌い自然にハーモニーさせた方が聴きやすい。ユーミンの味はところどころ感じた」
◇フェスティバル実行委員会の先生「男声合唱は貴重。来年もぜひ。今度はタダタケを」
など今後の参考になるいろいろの感想をいただいた。
この本番出演、たった2曲ではあったが、コロナ禍中の歌心をいたく刺激され、また演奏終了後の高揚感も思い出させてもらう特効の気付け薬となったようだ。終演後の打ち上げはオンステメンバー全員が参加した。が、時節柄おとなしく盛り上がったのは言うまでもない。
頴原信二郎(S42卒)