ワセグリの中堅・若手OBが参加している合唱団お江戸コラリアーず(おえコラ)の第21回演奏会が8月7日、東京芸術劇場コンサートホールで開催されました。山脇卓也さん(H10卒)と村田雅之さんの指揮で、約50人のメンバーが長引く新型コロナウイルス禍の影響を感じさせない充実した演奏を披露し、聴衆に希望を与える演奏会となりました。
3年ぶりに都内での開催となったおえコラの演奏会は、委嘱初演作品や難曲、古典をそろえた意欲的なステージ構成。第1ステージの外国語アラカルトは、バルトーク作曲の「4つの古いハンガリー民謡」、メキシコ民謡「La Cucaracha」のほか、ラトビアの作曲家ペーテリス・ヴァスクス氏に委嘱した作品「Trīs dziesmas (3つの歌)」を初演しました。
第2ステージは、2012年にシリア内戦を取材中、銃弾に倒れたジャーナリストの山本美香さんの著作をモチーフにした「ぼくの村は戦場だった ―あるジャーナリストの記録―」(信長貴富作曲)の男声合唱版。折からのロシアによるウクライナ侵攻で、全世界の人々が共有した戦争の恐怖と残酷さ、伝えなければいけないという使命感、平和への祈り、それでも希望を見いだそうとする人々の姿を、男声合唱ならではの怒濤のようなff、重厚な音色で表現。登場した多くのソリストも見事な歌声を披露し、会場からひときわ大きな拍手が起こりました。
第3ステージは男声合唱組曲 「月光とピエロ」。コロナ禍で中止となった2020年のOB六連で、稲門グリークラブが山脇さんの指揮で演奏する予定だった古典の名曲を、おえコラならではの安定したハーモニーで歌い上げました。そして最終ステージは男声合唱とピアノのための 「天使のいる構図」(村田さん指揮)で華々しく締めくくりました。
アンコールは「無音が聴こえる」(松本望作曲、Nコン2022高等学校の部課題曲)、信長貴富氏が今年新たに編曲した「ふるさと2022ver.」。「ふるさと」の2番の歌詞をウクライナ語で歌い、音楽による平和の連帯を呼びかけました。