第24回東西四大学OB合唱連盟演奏会が7月30日、兵庫県西宮市の兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホールで開催されました。稲門グリークラブは世界的指揮者の小林研一郎先生の指揮、大室晃子先生のピアノで、約100人のメンバーが「さすらう若人の歌」(G.マーラー)を歌い、圧巻の演奏を披露しました。
「さすらう若人の歌」は、早稲田大学グリークラブが代々、小林先生の指揮で多くの名演を残してきた特別な曲です。小林先生は演奏に先立ち、プレトークを行い、「3分だけ、皆さまのお力をお借りしたい」「ここ(早稲田のステージ)くらい、ちょっとアクセントが付いてもいいんじゃないでしょうか」と曲を解説しながら、会場全体をコバケン・ワールドに引き込んでいきました。公開リハーサルのようにメンバーに歌わせて、「そこ、もうちょっと強い方がいい」「もっと調子良く!」などと“ダメ出し”もして、会場の笑いを誘い、メンバーも聴衆もウオーミングアップさせてから本番の演奏に入りました。
1曲目の冒頭の緊張感みなぎるpp(ピアニシモ)、3曲目の怒濤のようなff(フォルテシモ)、4曲目の光の中に入っていく静寂と、愛に破れた若者の苦悩や慟哭、寂寥感、死生観を鮮やかに表現しました。
演奏が終わると、小林先生は両手の親指を立て、客席から大きな拍手と「ブラボー!」の連呼が起こりました。小林先生はメンバー全員とともに一礼し、パートごとにもお辞儀をさせて拍手にこたえ、いったん舞台袖に引き揚げた後も、2度にわたってカーテンコールに出てメンバーを讃え、拍手が長い間鳴り止みませんでした。
小林先生のOB四連での指揮は2013年の「水のいのち」以来10年ぶり。稲門グリークラブが昨年夏から練習を始めて、今年3月12日のワセグリOB会創立70周年記念「コバケンが振る 稲門グリークラブ演奏会vol.2」、今回のOB四連と続いた“コバケン・イヤー”は有終の美を飾りました。
新型コロナウイルス禍による21年の中止を経て4年ぶりの開催となったOB四連は、最初のエール交歓から総勢約400人のメンバーがステージに並び、満席となった約2000人の観客から大きな拍手が起こりました。稲門グリーは笹原優樹さん(S59卒)の指揮で、早稲田大学校歌を高らかに歌い上げました。最後の合同演奏は古典的名曲の「月光とピエロ」を広瀬康夫氏(新月会)の指揮で演奏。アンコールは「Ride The Chariot」で、早稲田からは鈴木英次さん(S63卒)がテナーソロを務め、大きな拍手の中、閉幕しました。
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第24回OB四連の演奏プログラムは以下の通り。
◇慶應義塾ワグネル・ソサィエティーOB合唱団
男声合唱組曲「水のいのち」=指揮:宮本益光、ピアノ:髙田恵子
◇クローバークラブ
男声合唱組曲「まぼろしの薔薇」=指揮:長谷川裕也、ピアノ:木下亜子
◇稲門グリークラブ
男声合唱とピアノのための「さすらう若人の歌」=指揮:小林研一郎、ピアノ:大室晃子
◇新月会
男声合唱組曲「柳河風俗詩」=指揮:広瀬康夫
◇合同演奏
男声合唱組曲「月光とピエロ」=指揮:広瀬康夫