ワセグリＯＢらが参加している合唱団お江戸コラリアーずの第22回演奏会が８月12日、杉並公会堂大ホールで開催されました。木下牧子氏の委嘱作品初演をはじめ、改訂版初演、古典的名曲に演出を付けるなど挑戦的なプログラムを組み、山脇卓也さん（Ｈ10卒）と村田雅之さんの指揮で、50人余りのメンバーが重厚で精緻なハーモニーを聴かせてくれました。
委嘱作品「駱駝の瘤にまたがって」は、三好達治が詩人としての遍歴を風狂の人、やくざな旅人として風刺した詩がモチーフ。初演に先立ち、木下牧子氏は「かなりヤクザな男の一代記で、自分で自分の人生を語る形ですが、一人ひとりが主役で輝く曲にできたらいいと思って作曲しました」と話しました。このあと山脇さんの指揮、松元博志さんのピアノで初演され、長大な詩ながら、物語が流れるようにドラマチックに展開してフィナーレを迎えました。13分間の演奏が終わると、客席からひときわ大きな拍手と「ブラボー！」の声が起こり、メンバーからも木下氏に惜しみない拍手が送られました。
演奏会はコダーイ男声合唱曲集（山脇さん指揮）で始まり、土田豊貴氏作曲の「５つのジュエル」の改訂版初演（村田さん指揮）は、第４曲「Pearl（真珠）」をほぼ書き直して、より色彩豊かな作品に生まれ変わりました。
清水脩作曲の「アイヌのウポポ」（山脇さん指揮）はしままなぶ氏の演出で、メンバーが民俗衣装を模した紋様のトレーナー姿で登場。曲ごとに短いナレーションを入れ、「ピリカピリカ」「恋歌」は座り込んで歌い、「リムセ（輪舞）」では全員が輪になって踊るなど、古典的名曲をエネルギッシュに歌い上げました。
最終ステージで委嘱作品を初演した後、アンコールには木下氏作曲の「鴎（かもめ）」、土田氏作曲の「彼方のノック」を歌って終演しました。
