第25回還暦会&順グリ会PartIIが7月1日(土)、東京・銀座のライオン銀座クラシックホールで開かれた。還暦を迎えたS55卒が16人、順グリ会PartIIのS56~61卒58人、その他の世代28人や来賓も含めて計120人余りが参加。この日のために練習を重ね、準備にあたった各年次の協力が結実し、会場は豊かな響きと温かい雰囲気に包まれた。
世話人代表の井上靖夫さん(S56卒)の総合司会で開会し、柿沼郭OB会会長(S53卒)のあいさつ、山本正洋さん(S57卒)指揮の「輝く太陽」による乾杯で宴はスタートした。
還暦コンサートはS55卒のメンバーが法被姿で登場し、越沼正典さんの指揮、坂田耕治さんの司会、上杉奈央子さんのピアノ伴奏で、(1)合唱による風土記「阿波」より「鯛締」(2)男声合唱組曲「雨」より「十一月にふる雨」(3)男声合唱組曲「水のいのち」より「雨」(4)男声合唱曲「島よ」より「Ⅳ」(5)男声合唱組曲「草野心平の詩から」より「石家荘にて」「さくら散る」―― を演奏した。
数年前から毎年合宿するなど見事な団結力と練習の成果を発揮し、円熟した歌声と一糸乱れぬハーモニーに大きな拍手がわき起こった。さらに還暦会を前に亡くなったり、病に倒れたりしたメンバーも紹介され、会場がしんみりする場面もあった。そして会場のリクエストにこたえて、アンコールに「Die Lorelei」を歌って締めくくった。
このあとの順グリ会IIは、大越智さん(S58卒)の指揮、青木浩一さん(同)の司会で、「Sailing,Sailing」「見上げてごらん夜の星を」「Soon Ah Will Be Done」「夜のうた」「斎太郎節」を歌った。
全体合唱では応援歌、愛唱曲の後、小林祥郎さん(S46卒)指揮、高野恭一さん(S55卒)ソロで「遥かな友に」を演奏。最後は「早稲田の栄光」を川元啓司さん(S56卒)指揮で参加者が肩を組んで歌い上げ、エール交歓で閉会した。
毎年レベルが上がる演奏、懐かしいメンバーとの再会に、参加者一人ひとりが勇気をもらい、心にスイッチが入った還暦会&順グリ会Ⅱは、また来年へと引き継がれていく。
S55年卒 数年前から練習試行錯誤
出られなかった人の思いも継ぐ
私たちS55卒は3年前より、還暦会で「水のいのち」全曲を歌うべく、当初よりピアノの上杉奈央子さんに協力いただき、練習に励んできました。しかし、昨年の還暦会でS54卒の先輩方のステージに接し、急遽方針を変更することになりました。
各学年での印象に残った曲をコンセプトに選曲をし直したのです。「水のいのち」は1年の時、手塚幸紀先生の指揮で歌った思い出の曲です。「雨」は最初の送別演奏会での曲でした。「島よ」は2年の時の福永陽一郎先生との出会いの曲。4年の時といえば、海外演奏旅行が大きなイベントだったので、「阿波」「草野心平の詩から」を選びました。
練習も次第に熱が入ってきた矢先、今年2月に、バリトンの江連久雄君が亡くなるという事態に直面し、喪失感もかなりのものでした。また、トップのパトリだった森谷利衛君も、長い闘病生活から参加出来ないため、残されたメンバーで彼らの穴埋めをしなければなりませんでした。
このほか、実際に今回の曲を歌ったことのないメンバーもいて、仕上げるのに思ったより時間がかかったように感じました。彼らも大変な苦労をしたのではないでしょうか。
それでも6月に行った合宿を経て、ようやく形になってきました。本番を何とか無事に終えることが出来てホッとしています。同期一丸となった意気込みの賜物でしょう。江連君、森谷君の両夫人が来てくださったのも嬉しいことでした。
なお、アンコールの「ローレライ」は、現役時代の苦い思い出を払拭するために選んだ曲です。当時何があったかは、ここでは詳しくは述べません。単音で音取りしたことに意味があった、とだけにとどめておきます。
最後に、今回の還暦会に関わった皆様全員にお礼を申し上げます。また、何年も前から協力していただいた上杉奈央子さんには同期一同、感謝の気持ちでいっぱいです。
清水稔夫(S55卒)