S32卒、昼食会で思い出語り合う

S32卒の同期会が3月2日昼、東京・春日の講道館地下「J bien」で開かれた。3月20日の大阪稲門グリークラブ60周年記念演奏会で、S32卒の旗揚げメンバーで「希望の島」を歌うことが決まっていた。練習に苦慮していたところ、京都から津田實が上京するとの連絡が来て、この機会を利用してJ bienの開店前に練習し、昼食会もしようと急きょ招集をかけて11人が集まった。

出席者は宇野義弘、京須健男(ご夫人同伴)、稲田弘、津田、草間康昌、玉田元康(ボニージャックス)、諸葛泰二郎、大澤寛之、長嶋義隆、岩崎精二、武田元次郎。
旧年10月に高橋生久、12月に山路洋平が急逝したこともあり、2人の栄光のテナーを偲び、仲間たちとグリー時代の足跡などを思い起こし歓談した。
大阪稲グリは60年前、S32卒の浅井修三、藤野幸一、山路、岩崎、上田、諸葛、宇野たちが藤野屋の2階に集まって始まった。浅井は名アレンジャーである。グリー在籍中に「紺碧の空」「光る青空」「早稲田の栄光」「夏の思い出」「雪の降る街」「田舎のバス」など数多くの編曲をしている。
「華のS32卒」は昭和29年、94人がグリーに入部し、秋には40人に減ったが、グリーが低迷期から飛躍する中核を担ってきた。病気療養から戻られた磯部俶さんの指導が始まるとみるみるうちに力をつけ 昭和30、31年には関東合唱コンクール大学の部に優勝するまでになった。31年の定期演奏会は産経ホールで2回公演を開催し グノー、ストラビンスキー、サンサーンスの作品を演奏プログラムにして成功させている。「関東の荒武者」と評されていた我々が「貴公子」に変身したわけである。

このほか30年から2年間で我々の演奏はNHKで7回、ラジオ東京でも放送され、大映映画の船員たちの合唱の収録にも参加している。卒業後は稲門グリーを盛り立てて、部報「いなご」を発刊。いそべとし男声合唱団を旗揚げし、中核メンバーとなって活躍した。(宇野義弘)