第66回東西四大学合唱演奏会が6月25日、東京・錦糸町のすみだトリフォニーホールで開かれた。早稲田大学グリークラブは、松原千振氏の指揮で「北東欧アラカルトステージ~若人と海~」を演奏。豊かな響きで北東欧の海の歌2曲を高らかに歌い上げた。
2校目に登場したワセグリは、ステージの下手に外声(トップテノール・バス)、上手に内声(セカンドテノール・バリトン)を配置し、テナー系を前列に並べる北東欧の合唱団のフォーメーションを採用。難解なチェコ語を歌いこなし、のびやかな高音、分厚い低音の見事なハーモニーで聴衆を魅了した。
他の3校が「定番」の曲をそろえてきたなかで、国内ではほとんど演奏されたことがない外国曲に挑んだ意欲的なプログラム。これには指揮者の松原氏の「最近の四連は挑戦心が足りておらず、ありきたりの枠に収まっていないか? 男声合唱の最先端にいることを認識し、開拓者、先駆者であるべきだ」との問題意識も投影されたようだ。
現役グリーは初期の練習から、チェコスロバキア出身の留学生を招いてチェコ語の指導を受けた。「深い発声」を意識し、毎回の練習で発声練習に1時間を割き、難曲を歌い切る体力づくりをして本番に臨んだ。
学生指揮者の中島龍之介さん(4年)は「原語理解と発声練習の成果が表われ、外声と内声が固まることでメンバーが役割分担をはっきり認識して、満足のいく演奏ができた」と振り返った。