現役定演 「炎える母」38年ぶり熱演 ~ 委嘱初演やボニーと共演も


早稲田大学グリークラブは2018年12月28日、第66回定期演奏会を東京・錦糸町のすみだトリフォニーホール大ホールで開催した。ワセグリが1980年に委嘱初演した荻久保和明氏作曲の「炎える母」を38年ぶりに再演したほか、早稲田ゆかりの種田山頭火の句による委嘱初演作品、結成60年を迎えたボニージャックスとの共演など意欲的なプログラムで聴衆を魅了した。

ボニージャックスとのスペシャルステージ

 定演には70人余りがオンステし、第1ステージは男声合唱組曲「草野心平の詩から・第三」(多田武彦作曲)を田中渉さん(学生)の指揮で歌った。第2ステージは菅野由弘早大教授に委嘱した山頭火の句による合唱曲を、菅野氏の指揮で能管、尺八、箏、琵琶の和楽器の伴奏をつけて演奏。第3ステージはボニージャックスとともに、ボニーの西脇久夫さん(S33卒)作曲の「雪の音」「男たちの子守り歌」などを披露した。

「炎える母」を38年ぶりに演奏

 そして第4ステージの「炎える母」。1945年5月の「山の手大空襲」の炎の中で母を失った宗左近氏の壮絶な詩による作品は、80年の第28回定演で作曲者の荻久保氏の指揮で初演して以来、40年近く全曲が歌われることはなかった。この伝説の難曲に再び荻久保氏の指揮で挑戦し、空襲の凄惨さ、火の海に消えた母への贖罪の思い、そして終曲の「ないなぐさめ」のレクイエムへと緊張感を途切らせることなく歌いきり、会場から大きな拍手を受けた。

恒例のステージストーム

 2018年度の現役グリーは送別演奏会の「シュローネン男声合唱曲集」、東京六連の「スポーツソング流声群」、東西四連の「岬の墓」、そして定演と、多彩なプログラムと演奏で楽しませてくれた。