OBM、11月23日に最後の演奏会~活動20年、フィナーレは華やかに

OBメンバーズ代表幹事   平田耕造(S57卒)

早稲田大学グリークラブOBメンバーズ(OBM)は、次回演奏会を11月23日(月・祝)、渋谷区文化総合センター大和田さくらホールで開催します。初回練習は3月8日(日)13時~アカデミー茗台(茗荷谷)、以降、OB六連の練習と重複しないスケジュールで練習予定。そして、この演奏会を最後にOBMは活動を終了し、解散することといたしました。

【OBメンバーズ  11月23日の演奏会】
Ⅰ シューベルト男声合唱曲集
  指揮:笹原優樹(S59卒)      ピアノ:上杉奈央子
Ⅱ 男声合唱とピアノのための
      「祈りの虹」(新実徳英作曲)
  指揮:佐久間宰士(S63卒)      ピアノ:前田勝則
Ⅲ クリスマスソング集
  指揮:山本正洋(S57卒)    ピアノ:上杉奈央子

OBMは、演奏会が終われば解散し、次の演奏会が企画されればまた集まる「集まり散じて方式」の1回ごとのプロジェクト集団であり、常設の団体とは異なる特殊な性格を貫いてきました。つまり今までも演奏会が終わるたびに解散しており、ある意味では解散慣れしている我々ではあるのですが、今度の解散は「その次」が無い本当の意味での解散となります。
OBMの前身は1999年のOBのシンガポール演奏旅行のために結成された合唱団でした。そこに参加したメンバーの有志が「この奇跡的な集まりを1回限りで終わらせるのはもったいない」との思いから結成したのがOBMでした。
毎週末1回の練習で半年間活動し、演奏会本番をやったらあとの半年は休む(休んで家庭孝行する)という方式は、発足当初のメンバーの多くが子育て世代であり、仕事も多忙であり、それまでのOB団体では活動したくてもできないといった事情に合わせたものでした。
また一方で、「自分たちが本当にやりたい楽曲を選び、演奏クオリティー最重視の活動をする」といったポリシーも掲げました。そしてまた「奇跡のように集まったこのメンバーで歌えることの喜び、ありがたさ」を共有し、ひいてはそれが歌、演奏で高みを目指すためのモチベーションを共有することにつながっていました。
「演奏クオリティー最重視ならば、継続こそが本来の道ではないか。なぜ演奏会が終わるたびに解散するのか理解できない」といったご批判もありましたが、そうした正論は承知のうえで、あえて高いモチベーションの維持を選んだわけです。
かくしてOBMは、それまでにないスタイルのOB合唱団として歩みを始めました。その特徴は数ある早稲田グリーOB団体の中において「声が最もデカく、演奏会集客能力が最も低い」。良いのか悪いのか。
20年の間、良いことばかりではなく、紆余曲折もありました。10年ほど前には参加メンバーが思うように集まらず「OBMも、もはやこれまでか」と腹をくくったこともありました。その後、2012年の同志社グリークラブOBシンガーズ(DOBS)とのジョイントコンサートがカンフル剤となり、息を吹き返して活動を続けてきました。

前回のOBMのコンサート(2019年1月)

しかしながらここ数年においては、初期の頃のような高いモチベーションを維持することが困難であると感じることが多くなってきました。その現象としては練習効率が低下し、演奏会本番までの期間に十分な習熟度が得られなくなったこと。さらにはオンステメンバーの確保が年々難しくなっており、良好なパートバランスが得られなくなったことなどです。
理想から遠くなってきたら、ダラダラと続けずに潔く活動を終了しよう、との思いは当初からメンバーの間で共有されていたと記憶しています。幹事会の中でも、高い理想を掲げたOBMの活動は、この20年の間に一定の成果を残した今、最後に悔いを残さない演奏会を一度開催して、そこで区切りをつけて良いのではないかとの意見に集約されました。
ただし、解散するからには、最後に一発ぶちかまします。指揮者にはこの20年の間にとりわけ大きな実績を残している3人を選びました。
今も名演として語り継がれている2003年の「シベリウス男声合唱曲集」の佐久間宰士氏(S63卒)。個人的にこれまでの合唱人生で最高に素晴らしいステージ経験だった2012年の「シューベルト男声合唱曲集」を指揮した笹原優樹氏(S59卒)。「光る砂漠」「デュオパのミサ」「ミュージカル名曲集」などジャンルを問わず器用にこなし、OBMのレパートリーに幅広さをもたらした山本正洋氏(S57卒)。
ステージで一緒に歌うか、それとも客席で最後の熱唱をお聴き届けいただくか。どちらにしても、11月23日、大和田さくらホールでご一緒いたしましょう。そして、すでに解散したあとの、次なる活動計画を語り始める者も出てきました。この先何が起こるか、乞うご期待。