石田観光農園のリンゴ、OBから1.6トン、100万円超す注文

早稲田大学グリークラブが40年余りにわたって夏合宿でお世話になっている石田観光農園(群馬県長野原町)のリンゴを購入するプロジェクトに、12月中旬までにワセグリOB約150人から210口以上、重量にして1.6トンの注文をいただき、売上額は100万円を超えました。多くの方々にご協力いただき、厚く御礼申し上げます。

10月にOBの皆さんに「リンゴを食べて合唱の火を灯し続けよう」と、オールワセグリネットワーク(AWネット)を通じてお声がけしてから、1人で何口も注文してくださった方が多数いたほか、石田観光農園での合宿を経験していない昭和54年卒以前のOBからも多くの注文をいただきました。

新型コロナウイルスの感染拡大で多くの観光施設が苦境に陥り、特に石田観光農園のような団体向けの施設は、政府の「Go To キャンペーン」の恩恵もなかなか受けられない状況にあります。それでも、代表の石田俊雄さんは「ワセグリの皆さんに、ただただ感謝です。多くの方のご厚意を支えに、合唱の家も何とか頑張っていきます」と話しています。

これからも石田観光農園が多くの合唱団の希望の灯、心のふるさとであり続けてほしいと思います。

 

ワセグリ合宿での石田俊雄さん(中央、2018年)=石田さん提供

取りまとめ役の古城真一さん(S56卒)の話

ご存じない方もいらっしゃると思うので、石田観光農園についてお話ししたいと思います。石田観光農園のあたりは「ハイロン」と呼ばれています。旧満州の地名です。戦前の日本政府は本土から満州に農民を移民させる政策をとり、この世の楽園、新天地といった謳い文句で移住を進めました。世にいう満蒙開拓団です。

国破れた後、引き揚げた人たちの扱いに困った政府は、浅間山のふもとの荒廃地をあてがった。岩だらけで痩せた土を大変な苦労で開拓していったことを、石田さんの今は亡き父上から昔話として聞かせてもらいました。その後、合唱の合宿ができるようにと、大きな借金を背負いながら設備を建設。そんな歴史を聞かされているだけに、後輩たちの合宿所の灯を絶やさないために何かできないか。そんな思いで皆様に呼びかけをした次第です。

皆様から200件を超すリンゴの注文をいただき、石田さんから大変感謝されています。重量に換算すれば1600kg以上、売上額も100万円を超えました。皆様のご協力のおかげで大成功を収めることができたと感激の念に堪えません。高原で取れたリンゴは大変評判が良く、購入いただいた各位から「美味しかった」とのメールを多数いただきました。来年はコロナも収束してもう応援ということではないと信じますが、直接石田さんに購入を申し込んで味わっていただけると幸甚です。