お江戸コラリアーず定演 「王孫不帰」やクイーン、聴衆を魅了

ワセグリの中堅・若手OBが参加している合唱団お江戸コラリアーず(おえコラ)の第18回演奏会が8月17日、東京芸術劇場コンサートホールで開かれた。男声合唱の〝古典〟ともいえる「王孫不帰」(三善晃作曲)、「合唱のためのコンポジション第6番」(間宮芳生作曲)、世界の名曲アラカルトなど多彩なプログラムを、磨き抜かれた歌唱力と重厚なハーモニーで歌い上げ、ほぼ満員の聴衆から大きな拍手を受けた。

お江戸コラリアーず定演のフライヤー

山脇卓也さん(H10卒)の指揮で、第1ステージはシューマン作曲の「男声合唱のための6つの歌」を、詩情あふれる柔らかいハーモニーで演奏した。

第2ステージの「王孫不帰」(三好達治作詩)は、能や謡の歌い方を取り入れた反戦歌。合唱と3人のソリスト、打楽器が巧みに交錯しながら、戦争から帰ってこない息子を思いながら年老いていく両親の姿を描き、戦争の悲しみ、むなしさを訴えた。第3ステージの合唱のためのコンポジション第6番は、日本民謡や労働歌をベースにしたポリフォニーを、伸びやかでエネルギッシュな声で歌った。

第4ステージは世界の名曲をとりそろえた「アラカルトステージ」。「俵積み唄」や「ロンドンデリーの歌」、黒人霊歌「ジョリー」などを、豊富なソリストを繰り出し、振り付けも入れて演奏し、聴衆を楽しませた。最後はクイーンのヒット曲「ボヘミアン・ラプソディ」を、田中達也氏の編曲で委嘱初演。原曲ではロックやバラード、オペラの要素が盛り込まれた重厚なサウンドを、合唱とピアノ、見事なテナーソロで表現して、会場からひときわ大きな拍手が起こった。アンコールは、田中氏編曲の森山直太朗「夏の終わり」で締めくくった。

おえコラは今後、9月1日に東京都合唱コンクール(文京シビックホール)でシード特別演奏、11月24日に全日本合唱コンクール全国大会(ロームシアター京都)に臨む。