【応援席】古門詩帆さん~男声の「圧」に毒されて、音楽を共有する醍醐味

古門詩帆(ふるかど・しほ)さん

ワセグリOBの皆さんの練習ピアニストとしてお世話になっています。高校から大学院まで、桐朋学園でピアノを中心に学んでいました。初めて練習に伺った時、男声合唱を間近で聴く機会がそれまでなかったので、ワセグリの〝音圧〟に怖気づき、ついていくのに精一杯でした。今では他の団体にお邪魔した際に「ワセグリで弾いているから圧がすごい」と言われてしまうほど、ワセグリサウンドに毒されています。
普段の練習では下振りの指揮者の方とご一緒させていただいていますが、何回か、荻久保和明先生や相澤直人先生の練習にも参加させていただきました。作曲家の先生ご自身の作品に対する思いを知ることで、また新たな発見が沢山あります。楽譜に書かれている情報を、どれだけ大切に扱ってあげなくてはいけないのか…。私が普段演奏している、いわゆるクラシック音楽において、作曲家の意見を直接聞くことはなかなか叶わぬこと。先生ご自身の言葉で直接アドバイスをいただけたことに感動し、帰宅しながら何度も楽譜を見返したことを思い出します。


思い返してみれば、小学生の頃から合唱が大好きでした。伴奏するのも歌うのも、いつもノリノリで参加していました。
OBの皆さんが年齢の壁を超えて歌っているのを目の当たりにする度に、以前、合唱指揮の先生が仰っていた「合唱っていうのは不思議で、名前も素性も何も知らない人同士でも、同じ歌を一度歌えばすぐに打ち解けられるんだ」という言葉を思い出します。年齢も境遇も関係なく時空間を共有できるのは、合唱に限らずとも、音楽の醍醐味だと思います。
皆さんと共に弾かせていただける時間は、私にとって、とても幸せなひとときです。これからも皆さんとご一緒できる機会をいただけますように、勉強を続けていきたいと思います。
(東京都町田市出身)