【会長年頭挨拶】「創意、徹底、柔軟」志向で前へ! 

早稲田大学グリークラブOB会 会長  柿沼 郭(S53卒)

柿沼 郭会長

コロナ禍の収束についてはまだまだ先の見えない状態が続いています。そのような中でワセグリOB会の音楽活動がどのようになるのだろうかと心配している方も多いことと思います。この時期、避けるべきだと声高にいわれる「3密」を、合唱は避けて通れません。しかし、その“3密の権化”である合唱も、やり方によって可能であることが徐々に実証されつつあります。令和3年はその道を模索し遂行する1年になりそうです。キーワードは「創意」「徹底」そして「柔軟」です。

昨年はOB会関連のイベントや演奏会はほとんどが中止に追い込まれました。しかし、現役グリーは年末に定演の開催にこぎつけました。六連、四連、演奏旅行、夏合宿と軒並み断念せざるを得ない状況でしたが、定演だけは彼等は果断に実行しました。練習では感染防止のための独自のガイドラインを作り、部員に徹底。学内が使えないため、練習場所の確保にも苦労しました。そして新たに開発された“歌えるマスク”を着用して舞台にあがりました。会場では座席数は限定し、お客様の連絡先を把握し、入場の際には手指の消毒、検温を一人一人行うなど、これまでにない対応をしてりっぱに成し遂げました。ひときわ思いがこもった演奏は大変素晴らしいものでした。

今、行動変容が求められる中、合唱も“変容”をすれば活動ができることが見えてきました。そこには創意工夫と対策の徹底、それに柔軟な対応が必要です。安全確保を最優先にした上で、どのような形ならできるのかについて、あらゆる角度から可能性を追求していかなければなりません。遂行にあたっては、感染防止ガイドラインを作成し、イベントや演奏会参加者に明示。それを一人の逸脱者もなく徹底して守ってもらうよう意識づけしなければなりません。そして状況が変われば、それに応じて対応も柔軟に変化させていく。先が見えない中では決定の変更もやむを得ない場合もでてくるでしょう。ただし、変化の判断は時機を逸することなくしなければなりません。

今年10月予定の稲門音楽祭はグリーが実行委員長を務めます。11月のOB四連は早稲田が幹事校です。これらの遂行に当たっては、先に述べたことを念頭に、各団体との連携を密にし、ワセグリOB会が抜かりなく主導していかなければなりません。OB会幹事、各委員会委員、それにOB各位のご理解とご協力を例年以上によろしくお願いします。

そして大切なのは現役支援です。昨年、現役はコロナ禍のため対面での新入生勧誘活動ができず、オンラインやSNSで行いました。そして9人の新入生が年末の定演で歌いました。厳しい中よく頑張った成果だと思います。しかし、定演オンステは全体では54人ですから、今後数年間は団員確保や財政の維持が大きな課題といえます。このためOB会としても例年以上の経済的支援を続ける必要があると考えています。今後現役と連絡を密にし、現状と要望を把握し、何としても現役を支えていこうと思います。OBの皆さんには現役支援金の原資となる今年度のOB会費を是非早めに振り込んでいただきたくお願い申し上げます。