響き石(228号)

2023年が明けました。今年の干支は「癸卯(みずのと・う)」。これまでの努力が実を結び、物事が好転して、飛躍する年になるといわれています。
安岡正篤「干支の活学」は、癸卯の年を「万事、正しく筋を通してゆけば繁栄に向かうが、これを誤ると紛糾し動乱する意を含んでいる」と解説しています。
▼安岡は前回の癸卯だった1963年当時の日本の状況を「筋道が立たずにもたもたしておる」と嘆きました。それから60年後の現代も、国際情勢はロシアのウクライナ侵攻、米中対立などで混迷を深め、日本国内も難題が山積しています。
▼ワセグリOB会は3月、創立70周年記念演奏会を開きます。でも次代へ活動を継続していくには多くの課題を抱えています。「人、遠き慮(おもんぱか)りなければ近き憂いあり」(論語)。遠い将来のことを考えずにいると、近いうちに心配事が起こるものです。
▼安岡はこの論語の教えを「親身になって心配する者があってこそ楽しめる。悲観ができてこそ楽観ができる」と読み解きます。今年も多くの人にOB会活動に関心を寄せていただき、ともに将来を考えながら楽しめる年にしたいものです。