コバケン先生がウクライナ応援コンサート~「フィンランディア」で平和への祈りを歌う

ロシアのウクライナ侵攻を受けて、指揮者の小林研一郎先生らが3月11日夕、「ウクライナ応援コンサート」を東京・池袋の池袋西口公園野外劇場グローバルリングで開きました。コバケン先生の主宰する「コバケンとその仲間たちオーケストラ」がシベリウスの交響詩「フィンランディア」、アイルランド民謡「ロンドンデリーの歌」、ラヴェルの「ボレロ」を演奏。「フィンランディア」では、先生に長年お世話になっている早稲田大学グリークラブ、慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団のOB約70人が合唱で出演し、平和への祈りを歌い上げました。

早慶のOBが「フィンランディア」を合唱

応援コンサートは豊島区と「コバケンとその仲間たちオーケストラ」の共催で、入場無料・立見の形で開かれ、動画配信サイト「YouTube」でも配信されました。演奏会場には、ウクライナの国旗をイメージする青と黄色の物を持参した人など数千人が集合。ウクライナ出身のオペラ歌手、オクサーナ・ステパニュックさんのウクライナ国歌「ウクライナは滅びず」の独唱で開幕しました。

ウクライナ国歌を独唱するオクサーナ・ステパニュックさん

ステパニュックさんは素晴らしい歌声を披露した後、「どんな状況にあっても、ウクライの人は毅然として強い。その魂はいつも平和と愛、助け合う思いやりを持っています。どうぞ皆さん、心を強く持って。世界がウクライナの平和を願ってくださることを心から願っています」とあいさつし、会場から大きな拍手が起こりました。

この後、コバケン先生が登壇し、フィンランドの作曲家、ジャン・シベリウスが帝政ロシアへの抵抗の思いを込めた「フィンランディア」を演奏。急きょ結成された約70人の男声合唱団がステージの前に並んで合唱し、聴衆の中には一緒に口ずさむ人も見られました。

コバケン先生は「(野外でもあり)最初の音が出る時、ちょっと恐怖があった。でも皆さまの協力で、普通の音の3倍くらい出ていたのではないでしょうか。心から弾け、皆さまの心のひだに届いた音楽は、これからのウクライナの助けになると思います」と話しました。

フィナーレはフランスの作曲家モーリス・ラヴェルの「ボレロ」。力強いリズムで、どんな状況でも屈しない人間の力を表現し、聴衆とともに平和への願いをひとつにしました。