倶楽部グリーが長崎公演~「もってこーい!」賛辞の声止まず

倶楽部グリーの長崎公演が8月26日、コロナ禍での延期から3年越しの執念が実って実現した。県内の音楽家らでつくる「蝶々夫人の街・ながさき」の主催、早稲田大学長崎稲門会の共催で、長崎チトセピアホール(500人収容)のほぼ9割を占める入客。メンバーも気を良くして第一部「思い出のアルバム」の演奏を開始した。

第一部「思いでのアルバム」のステージ

丸山はるお(S42卒)の指揮、鴻巣香さんのピアノで、第1曲「Love Is A Many Splendored Thing(慕情)」から強めの男声ハーモニーを披露。客席はその激しさにちょっと引きつつも、期待もこもる。そこへ「初めまして、倶楽部グリーです」 と絶妙のMCが入り、客席も落ち着いた中、「You Are My Sunshine」を演奏。続いて小椋佳の「さらば青春」「シクラメンのかほり」「愛燦燦」3曲を歌う。

MCが客席の笑いをとり、期待を盛り上げながらの進行でメンバーも気合が入る。次の「Unchained Melody」ではテナーの甘く切ないソロでお客様も納得、終曲の軽快な「Take Me Home, Country Roads」で客席を盛り上げてこのステージを歌い切った。

第二部の賛助出演は、県内外の合唱コンクールで受賞団体常連の混声合唱団「翔(しょう)」。尼崎裕子さんの指揮、森美春さんのピアノ伴奏で、「地球への愛と祈り」と題して、混声合唱のための水のうたメドレー「水百景」(初演)、「瑠璃色の地球」「世界に一つだけの花」をこのうえもないクリアなハーモニーで演奏した。そして埼陽コーラスグループ、美しい歌声、山里中学コーラス部が加わって歌った「長崎の鐘」は地元ならではのドラマチックで感動的な演奏であった。

第三部は「Great Hits」と題して、再び倶楽部グリーのステージ。演奏曲は「岬めぐり」「この街で」「卒業写真」「千の風になって」「熱き心に」「1970年代フォークソング・メドレー(9曲)」。どの歌もメンバーが20歳代のころのヒット曲。客席年齢もほぼ50歳代以上と見受けられる中、手拍子も入って喜んで聴いていただいた。例によってMCが「この合唱団、平均年齢は80歳です」 と紹介すると、「うわおう!」 と盛り上がる。

ひときわ大きな拍手が起こった「熱き心に」の広西英紀さん(S40卒)のソロ

また過去にプロとして長年ステージに立っていた丸山指揮者の人なつっこい笑顔と80歳らしい緩やかな動きが客席に妙に好感を持ってもらえているのか、ステージの終曲では、長崎おくんちで群衆が演し物(だしもの)にかける掛け声「もってこい、もってこーい」の嵐で、アンコールを催促。アンコールに「いのちの歌」を歌っても、まだ「もってこーい」 は止まず、早稲田大学第一応援歌「紺碧の空」まで歌ってしまう。最後に、合唱団翔の皆さんと新沼謙治の「ふるさとは今もかわらず」を合同演奏して、成功裡に長崎公演を終えることができた。

合唱団「翔」と「ふるさとは今もかわらず」を合同演奏

今回も東京からの追っかけファンや鹿児島在住のOBが駆け付けたり、ステージ外では地元OBの井手一雄さん(S54卒)が観光ガイドを買って出てくれたりと、各方面に大変お世話になった長崎公演となった。

頴原信二郎(S42卒)

☆コンサートの模様は以下の動画でご覧になれます。

https://www.youtube.com/watch?v=Xu43iFptiG4