東京混声合唱団の演奏会「合唱 meets ジャズ!」が8月23日、横浜市の神奈川県立音楽堂で開催された。山田和樹先生の指揮で、ジャズの巨匠、山下洋輔さんのピアノと合唱が「対決」。稲門グリークラブが先日のOB四連でお世話になった森田花央里先生が、日本民謡や童謡をジャズ風に大胆にアレンジした作品を披露して、会場は大いに盛り上がった。
森田先生編曲委嘱による「ジャポニズム アンド ジャズ」のステージは、「さくら」「最上川舟唄」「耳切り坊主」「鶴崎踊り」「赤とんぼ」のお馴染みの曲を、森田先生自身がピアノを弾いて、ジャズの独特のリズムと陰影をつけて演奏した。最後の「八木節」は怒涛のリズムと迫力ある声量で歌い上げ、聴衆を魅了した。
続いて熊本地震後の16年に森田先生が作詞・作曲し、山田先生の指揮で初演された児童合唱組曲「くまモン」を、30人余りの緑区制50周年記念中学合唱団が合唱。人気ゆるキャラ「くまモン」も登場して、会場を沸かせた。
一方、山下さんの最初のステージは、東混が作曲家の上田真樹先生に委嘱した「かみのさと~自由なピアノと合唱のために~」。日本各地に残る紙漉き歌を、柴田南雄の名作「追分節考」をもとにして、歌い手がステージのみならず、客席に降りて劇場空間全体を使って表現するシアターピース形式で演奏した。
最終ステージの「ピアノと合唱のフリー対決」は、山田先生が「世界初めての試みで、どうなるかわかりません」と前置きし、同じシアターピース形式で東混団員が舞台と客席を行き来しながら思い思いの歌を歌い、山下さんが勝手にピアノを弾く形でスタート。やがて団員がピアノを取り囲み、山田先生が山下さんに割り込んでピアノを弾く〝反則技〟も繰り出しながら、最後は圧倒的な迫力の声とピアノが融合して、大団円となった。